竹内薫

Profile

1960年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業(専攻、科学史・科学哲学)、東京大学理学部物理学科卒業、マギル大学大学院博士課程修了(専攻、高エネルギー物理学理論)理学博士(Ph.D.)「猫好き科学作家」(サイエンスライター)として科学評論、エッセイ、書評、講演などを精力的にこなす。科学の真面目な解説があるかと思えば、それを小説風に料理したSFタッチのショートショートも登場。不可思議なミステリーも飛び出す。本の多くには変幻自在のシュレ猫が登場する。テレビ番組への出演もこなし多方面で才能を発揮、独特の「竹内ワールド」を展開。スポーツインストラクターの妻と猫4匹とともに横浜に在住。

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―― ゆっくり積み上げてきた積木がいきなり…


竹内薫氏: そうそうそう、で、もう一回作り上げるじゃないですか。アメリカで永住するのでしたらそれでいいのだけど、また帰ってくるので…。(笑)

―― どうせ壊される、という意識がどこかにあると積み上げ方も恐らく変わってきますよね。




竹内薫氏: そうですね、大人の事情でいきなり環境が変わるので子供はコントロールできないですし。(日本に)帰ってきたらいきなり、アメリカ野郎とか言われて。子供にとってはきついですよね。

―― アメリカ野郎~みたいなこと言われたのですか。


竹内薫氏: やっぱり、着ているものが違うところから、まずは。当時、僕の時代だとみんな半ズボン、全員半ズボン。それなのにいきなり、ベルボトムの。もうそれで学校に最初行っちゃったから、もうダメですよ。全然ダメ。あはは。笑

―― なるほど。話が面白くて脱線しそうです(笑)ところで、お忙しいと思いますが平均読書量ってどのくらいですか。


竹内薫氏: 書評の仕事もやっているので、週1冊半くらいのペースです。仕事で読む本ですね。だから、週1冊半で、(プライベートの)漫画は週3冊くらいかな。(笑)

―― 漫画のほうが多いのですね。ちなみに、どういった漫画がお好きですか。


竹内薫氏: なんでも読みますね。えっと、ジャイキリとか、えーとピアノの森とか。ジャンルは、幅広く読みますね。大人の漫画も読みますね。この間、結構ハマっていたのが、『今日からヒットマン』。

―― どんな内容ですか。


竹内薫氏: 殺し屋が登場する漫画です(笑)結構Hな漫画で、でも殺し屋なのですよ。しかも表の職業は、サラリーマンという二重生活。そんなものも読みますし、ピアノの森みたいなものも読むし、何でも読みます。最近の、デッドマンワンダーランドとか。パッと読んで面白かったら読みますね。

―― 読むときは一気に読まれますか。連載中の漫画なら発売されている分まで。


竹内薫氏: そうですね、僕は今電子書籍で漫画を読んでいるのですが。電子書籍のサイトで、立ち読み版っていうのが送られてくるのです、漫画雑誌の。そこで1話ずつ読める訳です。これ面白いなと思ったら、まず1冊買う。1冊読んで非常に面白いかなと思えば、それで次は全冊買う。(笑)そういう感じですかね。基本iPadで、夜寝転がって、寝床で上に持って。娘が小さいものですから、結構早く寝なければいけないのです。すぐ暗くするので、明るい状況じゃ読めない。そうすると電子書籍しかないですよ(笑)。

―― 電子書籍ならではの利点というのは、ありますか。


竹内薫氏: 電子書籍になると基本的に自分が好きなもの、読みたいと思ったもの、自分の趣味に応じて購入でき、置き場所の問題もあまりないのが利点でしょうか。

―― 置き場所に困りませんよね。住宅事情に左右されないですよね。それに店頭ではなかなか買いにくい本も購入できますし(笑)


竹内薫氏: そうですね、だからある意味、正直なデバイスですね。

―― ちょうど娘さんのお話も出てきたところで、英語教育や幼児教育についても活用法、何かお考えですか。


竹内薫氏: そうですね、色々なアプリがある中で、子供に関してはリアルな絵本の方が、良いかなという感じはあります。今は、大人が使う時に便利だなっていう面の方が強いですね。読み聞かせ機能にしても、できれば自分でやっぱり、肉声で親が読んだ方がいいかなと考えます。それは僕の考えですが。リアルな本から入って、それからその便利さをわかってから、自分で選択して使うのがいいかな、というのが僕の考えですね。

―― そうですね、子ども向けの本は色々な仕掛けもありますし、子どもなりに思考錯誤しながら読むのは良いことですね。


竹内薫氏: 本カバーを外したり、破いたりとかも含めてですね。

―― 先ほど漫画は電子書籍で読まれるということでしたが、通常の書籍はどのような感じですか。


竹内薫氏: 残念ながら、読みたいと思う本は、電子書店に行っても徹底的に足りない、品揃えが悪いですね。英語に関しては、Kindleで大体読みます。Kindleだとペーパー版と、それから電子版同時に発売されるので。日本は遅れていると、言わざるをえないですね。

―― そういった意味でも、過渡期にありますね。それぞれにあった使い方を模索していけると良いですよね。


竹内薫氏: そうですよね。仕事で原稿の修正がある時も、紙で(修正を)入れる時もありますが、PDFに書き込むアプリを使ってiPadで修正することも最近多いですね、だからほんとに過渡期ですよ。デバイスというのはどんどん変わっていくものだから、例えば未だにワープロを使い続けている作家さんもいまが、ワープロが世に出てきた時は、それまで原稿用紙に書いていた訳で、必ず反発があったわけです。新しいテクノロジーの登場は、そういうものです。だから、新しいものはどんどん試してみる方が、面白いと思います。

著書一覧『 竹内薫

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