近藤るるる

Profile

高知県生まれ、徳島県、宮崎県育ち。 1990第2回ファミ通マンガ大賞入選。その後月刊アスキーコミックで『ハイパーあんな』(エンターブレイン)で初連載を開始。 1995年から2011年までの16年間「週刊ファミ通」にて長期連載を続けていた。 近作に『アリョーシャ!』(全6巻。少年画報社)、『テラオ』(全6巻。ビームコミックス)など。 現在は「月刊ヤングキングアワーズ」(少年画報社)にて冲方丁原作の『ガーゴイル』、週刊で『神撃のバハムート ミスタルシアサーガ』(サイゲームス)を連載中。

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編集者との雑談が、創作の活力に


――編集者とはどのようなやり取りをしていますか。


近藤るるる氏: 原稿の受け渡しは電子化されて、昔に比べるとスムーズで、受け取る方も楽になったのではと思います。それでも月1の打ち合わせは必ず会ってします。内容について喧々諤々やるというより、内容に関して少し話して、雑談するという感じですが、それが活力にもなります。私は編集の方と会って話をするのが、結構好きです。仕事の内容とは関係ないのですが、業界の話などもしてくれますし、そういった話を聞くのが私は好きなのです。

――どんな存在ですか。


近藤るるる氏: 一番目の読者ですね。私の漫画を最初に読まれる方なので、編集さんが喜んでくれれば読者の方もきっと喜んでくれるんじゃないかと思っています。編集者の反応がなんとなく薄いなという時は、「ちょっと展開が良くなかったかな」などと考えたりもします。流れが悪いとか、話の持っていき方が良くない時は、色々アドバイスをしてくれます。編集者が言ってくれることは、こちらも心の中で分かっていたりすることもあるのです(笑)。「ああ、そこはやはりつつかれたな」ということも結構ありますよ。だから、私にとって編集者というのは、作品ができ上がる前からの第一の読者であり、共同で作業する人でもあり、欠かせない存在ですね。それと、作家と読者を正しくつなげることができる人ですかね。

――「正しくつなげる」とは。


近藤るるる氏: 作家に社会性を持たせてくれるのが編集者という存在なのではないかと思います。時間や締め切りの管理も含めたマネージメントをやってくれるので、作家は作品に集中できます。電子書籍時代となっても、やっぱり必要な存在だと思いますよ。

新技術と書き手、読者の関係



近藤るるる氏: 昔の単行本が電子化されるにあたり、電子書籍を見ました。目次などが分かれていて、電子書籍が出た頃と比べると、すいぶん扱いやすく進化していると思いました。いずれほぼ電子書籍になるのだろうなと、その時に思いましたね。

最近の若い子はスマホで漫画を読んでいたりしていて、普通の文庫本や本での漫画の読み方がわからない子が出てきているという話を聞いて、驚きました。それから、最近テレビCMでもやっている「縦読み」。スマホで漫画を読み始めた時に、通常の単行本をスマホで読ませるのは厳しいだろうなと思っていたのですが、やはりこういうものが出てきたかと思いました。

――電子書籍の普及で、漫画の描き方にも変化が起きそうですか。


近藤るるる氏: 電子書籍ばかりになると、漫画も少し変わるかなという気はします。今『ガーゴイル』という新撰組の漫画以外に、『神撃のバハムート』というCygamesさんのスマホのゲームの漫画をやっています。スマホで読む漫画なので、フラッシュで動かそうという話になりました。

4話分を描いて、次の括りの5話から8話のところで動かす要素を取り入れようということで、キャラクターはキャラクターだけ、背景は背景だけ、吹き出しは吹き出しだけ描いていきました。でも、パーツごとにバラバラに分けて描くのは、作業量も増えましたし、大変でした。でも、みんながみんなそれなりの性能のスマホを持っているわけではないし、携帯などで見ている人もいる。重くて見られない、動かないという話になったようで、すぐに止めることになりました(笑)。

生活の合間に喜んでもらいたい


――近藤先生のホームページでは、壁紙がダウンロードできますね。


近藤るるる氏: 私のサイトの管理をしてくれているスタッフが「サイトを見にきてくれるファンの人たちに、壁紙をダウンロードできると喜ばれるのではないか」と言われたのがきっかけです。「不定期でもいいので、描きましょう」と勧められて始めました。私の漫画の場合、ターゲット層は結構絞られていて、その人たちに喜んでもらいたいという気持ちがあるので、サービス的な要素を入れてみたりといったことは、結構考えたりします。

私の中には「漫画は、娯楽である」という意識があります。漫画を読むのは、仕事の合間であったり、気分転換にもなるので、楽しんでもらいたいという気持ちが第一にあります。「私の考えを見ろ!」とか、「私の思想を、みんな、分かってくれ」というようなことはあまり考えたことはありません(笑)。娯楽として、クスッと笑って、いい気分になってもらえればいいと思っています。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 近藤るるる

この著者のタグ: 『漫画』 『アドバイス』 『紙』 『漫画家』 『テレビ』 『子ども』 『雑誌』 『アルバイト』 『ホームページ』 『アシスタント』

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