平野敦士カール

Profile

東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行、NTTドコモiモード企画部アライアンス推進担当部長を経て、ハーバード・ビジネススクール准教授とともに戦略コンサルティング会社、株式会社ネットストラテジーを創業、社長に就任。元楽天オークション取締役、元ドコモ・ドットコム取締役、元タワーレコード取締役。社団法人プラットフォーム戦略®協会理事長、ハーバード・ビジネススクール招待講師など、国内外での講演多数。著書に『カール教授と学ぶビジネスモデル超入門』(ディスカヴァー21)『プラットフォーム戦略』(東洋経済新報社)など多数あり、韓国台湾など海外でも翻訳されている。

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人と違うことは「素晴らしい」こと



東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行を経て、NTTドコモに転職。Iモード企画部アライアンス推進担当部長としておサイフケータイの普及に成功。2007年ハーバードビジネススクール最年少准教授とともに、コンサルティング、研修事業を行う株式会社ネットストラテジーを設立、ビジネス書の著者としても、教育者としてもご活躍中の平野敦士カールさんに、本と電子書籍についてのお考えを伺いました。

大学教授、プラットフォームのマーケティングのアドバイスと忙しい日々


――早速ですが、「ネットストラテジー」の業務内容を含め、そのほか教育者としてのお仕事についてもお話しいただけますか?


平野敦士カール氏: いまは大前研一氏が学長をされている「ビジネス・ブレークスルー大学」で教授をしているのと、早稲田大学ビジネススクール(MBA)で非常勤講師をしておりまして、主に経営戦略(プラットフォーム戦略®)とITマーケティングを教えております。「ネットストラテジー」としては、いろんな会社のアドバイザーをやっておりまして、一部上場企業がほとんどなのですけれども、プラットフォームビジネスを構築したいというような話が多いので、そういった経営に関するアドバイスをしています。本を読んで社長さんご自身が会いたいということだったり、Facebook経由でメッセージが来たりとか、あとは講演も多いので、そこにいらした方からのご紹介もありますね。

――まさしくご自著の中で触れられている『パーソナル・プラットフォーム戦略』ですね。


平野敦士カール氏: 最近Facebook経由での講演依頼も多いですし、そのまま「うちの顧問になってください」みたいな話もあります。

――それは正式なビジネス書面で、メッセージ欄から来るんですか?


平野敦士カール氏: いきなりメールが入っていたりします。この間も、韓国最大の通信会社のSKテレコムというところから、「国際会議があるので基調講演をやってくれないか」という依頼がFacebook経由で来ていました。海外からも講演依頼がFacebook経由で来ているんですね。結構多いですね。そういった講演活動もやっておりますし、あとは、新たにプラットフォームを自社でもやるということで、「パーソナル・プラットフォーム戦略ひとり社長講座」という個人向けの戦略構築講座を開始しています。

――ご自著でも、「ひとり社長」という個人の戦略について書かれていますね。


平野敦士カール氏: そうですね。「ひとり社長」は意外と人気があって、どちらかというと私の場合には「セルフブランディングというよりはむしろ個人の戦略を作りましょう、企業の戦略も個人に適用しましょう」みたいな部分ですね。「プラットフォーム戦略®」というのは読んでの通り企業の戦略でもありますし、国家戦略でもありますし、個人にも落とせるということでいろんなところに汎用性があるものですから、個人で自分をプラットフォーム化する方法を学ぶ講座が、いま人気です。

アメリカで生まれ、幼少期に「人との差別化」を学ぶ


――そういったものというのは数々のご経験から培ってきたものだと思うのですが、どのようにしてそういうお考えに至ったのかをお教えいただけますか?


平野敦士カール氏: 私はアメリカで生まれまして、アメリカとカナダで幼少期を過ごして、7歳の時に来日したんです。1回、2歳半の時に日本に来たんですけれども、またすぐカナダに行ってしまいましたので、6年間ぐらいアメリカとカナダにおりました。

――では最初の読書体験は英語でしたか?


平野敦士カール氏: 英語だと思います。小学校1年生から3年に飛び級したのですが、日本に戻ってきてもう一度小学校1年生からやったという感じだったんです。そういう意味では、結構よく勉強していたんだろうなと思いますね。言葉がわからないというのが非常に苦痛ですので、そういう意味で最初に勉強したのはたぶん英語の教科書だと思います(笑)。もちろん両親とも日本人ですから日本語で会話をしておりましたけれども、文字として見るのは英語の絵本とか、漫画とかも『スパイダーマン』とか、向こうのものが先に入ってきてしまいました。『アダムスファミリー』とか小さい時によく見ましたね。そういう意味では、漫画もアメリカで初めて触れていると思うんですね。

――いまでも何か平野さんの生活様式に影響を与えているようなことはありますか?




平野敦士カール氏: どうなんでしょうね、あまり影響はないと思います。ただ、意外とアメリカの教育というのは、小学生だったということもあってビジュアルをすごく重視していました。絵本にしろ、学校での授業にしろ、左脳的というよりは右脳的な教育が多い気はしました。日本に帰ってきたら「文字ばっかりだな」という感覚を持ちましたね。

――違いというのは、そういうところからすでにあったのですね。


平野敦士カール氏: あとから思うと、日本の場合って「みんなと同じことがいいこと」じゃないですか。でもアメリカとかカナダの学校というのは、「みんなと違うところをいかに出せるか」ということが重要で、戦略的な用語でいうと「差別化」になるんだと思うんですけれども、違う方が素晴らしい、そういう教育を受けて育ってしまったんです、幸か不幸かですね(笑)。

帰国してから中学受験で「麻布学園」へ。受験と勉強の楽しさを学ぶ


――その中で日本に帰って来られて、実際に中学、高校と、日本の超進学校と呼ばれる学校に進学されたのですね。


平野敦士カール氏: 麻布学園の麻布中学校というところに進学しました。帰国してから公立の小学校に入りまして、その後学校の先生から「この塾を受けたらどうか」ということをいわれたので、受けて、たまたま運が良かったんでしょうが、「四谷大塚」という塾に2番で合格したので行ったのですが、一緒に勉強する仲間がいて、友達同士で毎週テストみたいなものを受けて、当時それが楽しくて勉強する習慣がついたかもしれないですね。参考書とかの領域が決まっていて、毎週日曜日に試験を受けに行って、それによってアウトプットをしていくという。アウトプットから逆にインプットを入れていくという勉強を、小学校の時に身に付けたのかもしれないですね。

――それがいまでも何か根幹の部分で役に立っているんでしょうか?


平野敦士カール氏: そうですね。『パーソナル・プラットフォーム戦略』(ディスカヴァー携書)にも書いたのですけれども、英語の勉強法とかでも、最初に試験がどうなっているのかというところから逆算して、じゃあ何を学んでいくかというものがアウトプットからわかるということを、無意識のうちに小学校時代から考えていたのかもしれないですね。私は、実は漫画が読めない人なんです。文字を読んでしまうので、漫画を読むと疲れてすごく嫌いだったんです。唯一好きだったのが楳図かずおさんの本で、それだけは絵でわかったのでビジュアルで入っていけたんでしょうね。あとは、文芸ものも正直あんまり読みません。むしろ本よりもドラマとか映画が好きで、どういう風にシナリオが展開していくのかなとみているのが好きなんです。自分が執筆する時も、読者である登場人物が具体的に決まって、それが実際にどう動いていくのかというのを、ビジュアルで考えたものを文字に落としていくというタイプですね。

著書一覧『 平野敦士カール

この著者のタグ: 『海外』 『考え方』 『マーケティング』 『日本』 『金融』 『転職』 『文字』 『ご縁』 『携帯電話』 『プラットフォーム』 『ビジュアル』

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